パラメトロン

1954年に後藤英一によって発明された新論理素子.後藤は当時東京大学高橋秀俊研究室の大学院生であった.パラメトロンはパラメータ励振現象を使用する論理回路素子.LC共振回路のLあるいはCを,共振周波数のほぼ2倍の周波数2fで変動させると,パラメータ励振により周波数fの振動を励起することができる.後藤はこの発振に0かπかの2つの位相があり,2進数をその位相で表示できることに気づき,電子計算機用新論理素子としてパラメトロンと命名,最初の研究報告を1954年7月に電気通信学会電子計算機研究専門委員会で行った.高橋研究室ではパラメトロンを用いて電子計算機PC-1を試作した.


 
図1 パラメトロン図2 電電公社電気通信研究所の計算機に用いられたパラメトロンユニット
(社)日本電子回路工業会所蔵