【電気試験所】 ETL Mark II リレー式大型自動計算機

電気試験所でETL Mark Iの成果に基づき開発されたリレー式大型自動計算機.内部は2進,40ビット,データ用の内部記憶容量200語,使用継電器22,253個.制御方式が完全な非同期式(将棋倒し方式)で,入力および内部論理とも自己チェックを行い,チェック結果が正しければ動作を完了する方式をとった.使用したリレーの動作速度は,当時米国のHarvard Mark IIのものが平均7msecに対し,ETL Mark IIのものは平均10msec以上と遅かったが,計算機としては4〜5倍高速度であった.リレーによる200語の記憶装置を持ち1,000語まで拡張が可能であった.詳細設計は研究室員のみで行い,製造は富士通信機製造(現在の富士通)に依頼し,入力装置のテープ読取機,テープせん孔機は新興製作所が制作した.1955年11月に完成し,約10年間電気試験所内外の計算に利用された.

現在ETL Mark IIの監視制御卓と本体の一部が国立科学博物館に保存されている.


 
ETL MarkII 操作卓ETL MarkIIリレーユニット