【電気試験所】 ETL Mark I リレー式自動計算機

電気試験所でリレーを用いて1952年に試作された我が国最初のディジタル式自動計算機.完全な非同期式で,当時は将棋倒し方式と呼んでいた.後藤以紀による論理数学に基づく論理関数方程式の解法理論を駒宮安男が計算回路の設計に応用し,1951年に電気計算回路理論としてとりまとめた成果を適用した.真空管の信頼度は悪く,トランジスタはまだ実用化されていなかったため,電話自動交換などに多数使用され実績のあるリレーが部品として選ばれた.研究室員のみの努力によりETL Mark Iは1952年に試作され良好な結果を得た.この成果を受け,同一の理論・方式に基づき実用機ETL Mark IIが開発された.


  
ETL Mark I