【三菱電機】 MELCOM ME RISCシリーズ

ヒューレット・パッカード社(HP)のUNIXであるHP-UXと,HPのRISCプロセッサであるPA-RISC(プレシジョン・アーキテクチャRISC)とを搭載した高性能ワークステーションであり,1991年5月,HPよりOEM供給を受けて三菱電機より発売が開始された.ワークステーション3モデル(ME/R7200,ME/R7300,ME/R7500)と同時に,サーバ3モデル(ME/S7200,ME/S7300,ME/S7500)も発表され,CAD/CAM/CAE,CASE,高次元/高精度画像処理などで利用された.

PA-RISCの採用により,ME/R7300とME/R7500は,当時のワークステーションの最高水準の性能である76MIPSを持ち,また,ME/R7200は,ディスクレスで1MIPS当り4万円以下という高い価格性能比を持っていた.ME/S7200,ME/S7300,ME/S7500は,高い計算処理性能と大容量のディスク(S7200とS7300は最大10GB,S7500は最大40GB)のサーバであった.

処理性能の高いCPUと,GRX,CRX,Personal VRX,および,Turbo VRXというグラフィック・システムの組合せにより,表に示すように,用途に合った高速の描画が可能であった.

ME RISCシリーズの仕様
  ME/R7200
ME/S7200
ME/R7300
ME/S7300
ME/R7500
ME/S7500
CPU(クロック) PA-RISC (50MHz) PA-RISC (66MHz) PA-RISC (66MHz)
CPU性能 57MIPS 76MIPS 76MIPS
  17MFLOPS
(倍精度)
22MFLOPS
(倍精度)
22MFLOPS
(倍精度)
  55.5SPECmarks 72.2SPECmarks 72.2SPECmarks
キャッシュ
(命令/データ)
128KB/256KB 128KB/256KB 256KB/256KB
主メモリ 16〜64MB 16〜64MB 16〜192MB
グラフィック・システム GRX,CRX,
PersonalVRX,
TurboVRX
GRX,CRX,
PersonalVRX,
TurboVRX
CRX,
PersonalVRX,
TurboVRX
内蔵ディスク [ME/R7200]
 210MB〜840MB
 ディスクレス可
[ME/S7200]
 420MB〜840MB
[ME/R7300]
 210MB〜840MB

[ME/S7300]
 840MB
[ME/R7500]
 660MB〜2.6GB

[ME/S7500]
 660MB〜2.6GB
最大ディスク容量 10GB 10GB 40GB
EISAスロット 1
(ME/R7200では
オプション)
1 4
本体寸法 (mm)
(幅×奥行×高さ)
508×470×114 508×470×114 220×595×610
グラフィック・システム仕様
  GRX CRX PersonalVRX TurboVRX(T2) TurboVRX(T4)
モニターCRT 19インチ
表示色 モノクロ
256階調
256色 256色 1670万色
表示分解度 1280×1024
性能
(ピーク値)
115万
 2D/3Dベクトル/秒
87万〜91万
 X-WINDOWベクトル/秒
5万4千
 三角形/秒
3万7千
 四角形/秒
67万1千
 アンチエイリアスベクトル/秒
21万6千
 三角形/秒
9万8千
 四角形/秒
88万2千
 アンチエイリアスベクトル/秒
33万
 三角形/秒
19万5千
 四角形/秒

  
MELCOM ME RISCシリーズ上段左からR7500, R7300, R7050下段左からR7100, R7200
ただし,R7100とR7050は,1992年1月に発表