OASYS Lite(オアシスライト)は,富士通の業界初のポータブル日本語ワードプロセッサで,1984年5月に発表された.従来機のMy OASYS2は,重量11.9Kgであったが,このOASYS Liteでは,キーボードとプリンタを一体化し,大幅に小型化・軽量化(重量3.5kg)・低価格化を図った.本機は,以下の特徴を有した.
- (1)パーソナルワープロでは初のプリンタ分離型で本体部の小型化・軽量化を実現(B4サイズ,2.3kg)
- (2)大型液晶ディスプレイ(40文字×5行表示)の採用
- (3)内部メモリの拡大(ビジネスユースに対応できるようA4判6ページ,7,200文字の文書を保存可)
- (4)3.5インチフロッピィディスク装置(オプション)の接続でA4判約200ページの文書保存が可能
- (5)図形移動/複写,文字の自由な拡大など高度な編集機能を装備
- (6)はがき印字も可能な静かな熱転写プリンタ(24×24ドット)の採用
- (7)電話回線での通信が可能(OASYS Lite F同士の通信,ホストコンピュータの通信端末)
1985年7月には,文節変換機能を搭載した日本語ワードプロセッサでは最も低価格なOASYS LiteSが発表された.
機種 | OASYS Lite | OASYS Lite S | |
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発表時期 | 1984年5月 | 1985年7月 | |
タイプ | プリンタ一体型 | ||
入力方式 | 対話式かな漢字自動変換方式,文節入力,最新使用優先学習方式(保存機能付) | ||
キーボード | 親指シフトキーボード | 親指シフトキーボード,五十音配列マスクにより五十音キーボードに変身 | |
表示 | 種類 | 液晶ディスプレイ | |
文字数 |
8字×1行 (文字構成:24×24ドット) |
8字×1行 (文字構成:16×16ドット) |
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文書 | 本体内 | A4判 2ページ | 2,400字(40字×60行) |
外部記憶 |
カセットテープ:A4×40ページ(C-30) バブルカセット:A4×40ページ |
カセットテープ:A4×40ページ(C-30) | |
単語辞書 | 一般単語:約40,000語,ユーザ登録語:約200語 | ||
プリンタ |
24ドット,熱転写, 印刷速度8字/秒 |
16ドット,熱転写, 印刷速度13.8字/秒 |
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重量 | 3.5kg(乾電池含む) | 2.6kg(乾電池含む) | |
電源 | 乾電池駆動(単1×4本)またはAC100V |
(注)上記の諸元は発表時のもので,その後の改良で変更されている場合がある.