【富士通】 FUJITSU GP7000Fモデル2000

富士通のUNIXサーバファミリーの1つであるFUJITSU GP7000Fファミリーの最上位モデル.1999年7月に富士通から発表された.インターネット対応のサーバファームなどのビジネス用途から,大規模科学技術計算の用途まで幅広い分野に適用可能.特にスケーラビリティが強化された.FUJITSU GP7000Fモデル2000は以下の特徴を持つ.

(1) 高い性能とスケーラビリティ
富士通が開発した高性能RISC(注1)プロセッサ「SPARC64-GP(300MHz)」(注2)をSMP(注3)構成で最大64個搭載.システムバスに,最大51.2ギガバイト/秒(128CPU構成時)の能力を持つ,0.18μm銅配線CMOSクロスバーバスを採用.このバスはレイテンシーで300ns以下の高速アクセス能力を持つ.また,最大16ノード(1ノード最大64CPU)のクラスタ構により,最大1,024個のCPUまでの拡張性がある.
(2) 柔軟なシステム構築
1台のGP7000Fモデル200を最大15個のオペレーティングシステム環境に分割して利用できるパーティション機能,異なる周波数のCPUの混在搭載など,システムの環境変化に柔軟に対応.
(3) 99.999%のアベイラビリティ
ハードウェアのRAS機能強化やクラスタシステムによるホットスタンバイ,リモートメンテナンスにより,大型メインフレームに匹敵する99.999%の稼働率(1年間のシステム停止時間が5分以内)を実現.RAS機能強化としては,ECCメモリ(注4),IOパスのフェイルオーバー機能,活性交換機能(注5)などがある.
(注1)RISC(Reduced Instruction Set Computer): 縮小命令セットコンピュータ.
(注2)SPARC: SPARC INTERNATIONALが定めるプロセッサ規格.
(注3)SMP(Symmetric Multi-Processor):対称型マルチプロセッサ.メモリが複数プロセッサに共用され,各プロセッサが対等な動作を行う多重プロセッサの形態.
(注4)ECC(Error Checking and Correction):メモリのエラーに対し,1ビットエラー訂正可能,2ビットエラー検出可能.
(注5)活性交換: コンピュータを止めることなく機器の保守(取替など)を行うこと.コンピュータの24時間連続運転に必要な技術.
FUJITSU GP7000Fモデル2000 諸元
発表時期 1999年7月
プロセッサ SPARC64-GP(300MHz)
プロセッサ数 8〜64
主記憶容量 4GB〜64GB
最大ディスク容量 700TB
OS Solaris7
その他
  • 富士通が開発した64ビットSPARCプロセッサSPARC64-GPを使用
  • 0.18μ銅配線のCMOS使用のクロスバースイッチによる
    高性能システムバス(最大51.2GB/s)を採用
  • SMPとして最大64個のプロセッサを搭載可能
  • 最大15個に分割運用可能なパーティション機能を装備

以上の諸元は発表時のもので,その後の改良で変更されている場合がある.


 
FUJITSU GP7000Fモデル2000(32CPU)FUJITSU GP7000Fモデル2000(64CPU)