【日本電気】Cenju-4

Cenju-4はCenju-3に引き続き,NECで1997年に開発されたマイクロプロセッサベースの並列計算機である.特徴として,ユーザレベルのメッセージ通信機能を持った分散メモリとキャッシュ一貫制御付き分散共有メモリの2つのメモリアーキテクチャを有する.Cenju-4 の構成は,8〜1024個のノードが,マルチキャストと同期の機能を持つ多段ネットワークで接続されている.各ノードは,MIPSのVR10000(200MHZ,400Mflops)と512MBまでのメモリからなる.図1にCenju-4のシステム構成を示す.


図1 Cenju-4のシステム構成

図1 Cenju-4のシステム構成

OSとして,MACHマイクロカーネルベースのOSであるDE4が実装された.マイクロカーネルベースのOSでは,それぞれの機能がモジュール毎に分かれているため,機能の拡張や追加に適している.DE4では並列処理機能としてユーザレベル通信サーバや分散共有メモリサーバなどが追加された.並列プログラミングライブラリとしてはCenju-3 同様にNEC独自のParalib/CJ4ライブラリと世界標準で用いられているMPI(Message Passing Interface)が提供された.また,並列プログラミング環境を充実させるためには,ユーザコミュニティとの連携が重要と判断して,ソースの積極的な公開やNEC並列処理センターを通じた共同研究が遂行された.

ノードの仕様
プロセッサ VR10000(200MHz)
キャッシュ容量 一次 32KB(命令)/32KB(データ)
二次 1MB
ローカルメモリ 64MB〜512MB
内蔵ディスク(オプション) 2.1GB/4.3GB

ハードウェアの仕様
ノード台数 8台〜1024台
主記憶容量 0.5GB〜512GB
ノード間ネットワーク 多段接続網
ノード間転送速度 ノード当たり200MB/s × 双方向

  
Cenju-4