ビジネス融合ソフト「リコーマイツール」と一体化した高機能・省スペースパソコン．
「Mr.マイツール」は，ビジネス融合ソフト「リコーマイツール」の使いやすさを向上させ，その機能を十分に活かす高性能な専用ハードを一体化した製品として1986年7月に発売された．3.5インチのフロッピーディスク装置を2台標準装備した「Mr.マイツール」と，10メガバイトのハードディスク装置と3.5インチフロッピーディスク装置を標準装備した「Mr.マイツール/10」の2機種がある．
「リコーマイツール」は，表作成，日本語ワープロ，グラフ作成，データベースの4機能を1つにまとめたビジネス用融合ソフトで，1984年7月の発売以来2年間で2万本の納入実績があり，リコーのヒット商品になった．「Mr.マイツール」は，リコーマイツール専用パソコンで，従来のパソコンに比べて，設置面積で約30％の省スペースを実現している．主な仕様や特徴は下記のとおり．
- キーボード：テンキーを独立させ，大量データの入力効率を向上．コマンド入力に便利なタブレット型キーボードなど，多彩な入力装置を用意．
- CPU：インテル80286を搭載．
- メインメモリ：1メガの大容量RAMを標準装備．
- プリンタ：標準システム構成の16インチ漢字ドットプリンタのほか，カラー印字が行える高速の16インチ漢字ドットプリンタ，12ポイントと10.5ポイントの2種類の文字サイズを印字できる16インチ漢字熱転写プリンタ，10インチ漢字熱転写プリンタなど多彩な出力環境．
また，オプションとして，マイツール同士を接続して，電話感覚でデータの転送が行える「マイコール」があり，パソコン通信の複雑な手順を介さず，使えるなどユニーク機能も備えていた．ユーザニーズに対応した高性能・省スペースのパソコンとして，広く一般のビジネス環境に受け入れられていった．
