FMV-BIBLO LOOX(ルークス)シリーズは,2000年9月に富士通から発表されたモバイルノートパソコンのブランド名である.同社はそれまでにも「FMV-BIBLO」ブランドで個人向けノートパソコンを販売していたが,よりモバイル性に特化した新しいコンセプトのノートパソコンとして,この「LOOX」シリーズが追加された.
980gの軽さと8.8型液晶のコンパクトさで携帯性を追求した「LOOX Sシリーズ」と,「モバイルマルチメディア」をキーワードにDVDドライブユニットと10型ワイド液晶を搭載し,これまでのフル装備ノートパソコンと同等な機能をA5ファイルサイズに凝縮した「LOOX Tシリーズ」の2シリーズ構成であった.
いずれのシリーズもDDIポケット株式会社(PHS通信会社.現(2008年現在)ウィルコム)が提供する64kbpsのワイヤレス通信サービス「H”IN(エッジイン)」のモジュールを本体に内蔵しており,場所やネットワーク環境に縛られることなくインターネットに接続できるという,当時としては初めての画期的な機能を有していた.また,Transmeta社製の低消費電力CPU「Crusoe」の採用により長時間駆動を実現するなど,FMV-BIBLO LOOXは徹底してモバイル使用を追及したシリーズである.
その後もFMV-BIBLO LOOXシリーズは,一貫してモバイル性能を重視しつつ継続的なシリーズの見直しやモデルチェンジを繰り返しながら,同社のパソコンラインナップの中でも先鋭的な役割を担ったシリーズとして現在(2008年現在)に至っている.
シリーズ名 | LOOX Tシリーズ | LOOX Sシリーズ |
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品名 | FMV-BIBLO LOOX T5/53W | FMV-BIBLO LOOX S5/53W |
形状 | A5ファイルサイズ | A5コンパクトサイズ |
発表時期 | 2000年9月 | |
内蔵ディスプレイ | 10 型ワイドTFTカラー液晶 1280×600ドット |
8.8 型ワイドTFTカラー液晶 1024×512ドット |
CPU | Crusoe(TM)プロセッサTM5600 533MHz |
Crusoe(TM)プロセッサTM5400 533MHz |
メモリ | 128 MB (SDRAM) | |
HDD | 10 GB | |
光学ドライブ | DVD-ROMドライブ(8倍速) | なし |
バッテリ | 最長 約7.3時間 | 最長 約8時間 |
外寸 | 264(W), 183(D), 31.5(H)mm | 243(W), 151(D), 30(H)mm |
重量 | 約1.5 kg | 約980 g |
OS | Windows Me | |
その他 |
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