窓口やカウンタなどでの接客業務,顧客情報管理やコンサルティングなどの営業支援業務,巡視や定期点検などの保守サービス業務において,紙とペンを使う感覚で使いこなせるように設計されたペンコンピュータで,1993年に三菱電機から発表された.電磁誘導方式の専用ペン(コードレス)で,メニュー選択,ジェスチャによる編集操作,文字や図形の直接入力が簡単に行えた.
ハードディスク内蔵のペンコンピュータでは業界最小で,カーボン繊維強化プラスティックの筐体,CPUに3.3Vの低消費電力型i386SL(20MHz),主記憶4メガバイト(最大8メガバイト),40メガバイトの 1.8インチのHDDを搭載し,ジャストA4サイズで,1.4kgの軽量,厚さ25.4mmのコンパクトさを実現した.
9.4インチのバックライト型モノクロ液晶ディスプレイを採用.表面に滑り防止シートの特殊加工を施し,ペンの滑りを抑えて,紙とペンに近い書き味を実現するとともに,蛍光灯などの反射を抑えた. OSは,Microsoft Windows for Pen Computingを搭載していた.
JEIDA 4.1/PCMCIA 2.0規格に準拠したTypeI(3.3mm厚)・TypeII(5.0mm厚)用のICカードスロットと,TypeIII(10.5mm)用のICカードスロットも標準装備しており,LAN,WAN接続などを含め,多彩なシステム構築が可能であった.
VGA仕様の大型カラーCRTや液晶プロジェクタとの接続により,ペンコンピュータの液晶画面との同時表示ができ,プレゼンテーション用途に利用できた.
CPU | i386SL (20MHz)3.3V | |
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高速演算プロセッサ(オプション) | i387SX相当(20MHz) | |
メモリ | キャッシュ | 16KB |
ROM | 128KB | |
RAM | 4MB(最大8MB) | |
補助記憶装置 | HDD | 1.8インチ 40MB×1 |
外部FDD(オプション) | 3.5インチ 1.44MB×1 | |
表示装置 | 表示方式 | VGA 9.4インチバックライト型モノクロ液晶ディスプレイ 16階調 |
日本語モード | 解像度:640×480ドット 日本語表示:40字×25行 16×19ドット 英数カナ表示:80字×25行 8×19ドット |
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英語モード | 解像度:640×480ドット(VGA) 640×350ドット(EGA) 640×200ドット(CGA) 英数字表示:80字×30行,8×16ドット 80字×25行,8×14,8×8ドット |
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外部ディスプレイ(オプション) | 14インチカラーディスプレイが接続可能 | |
入力装置 | スタイラスペン | 電磁誘導式コードレス・ペン |
外部キーボード(オプション) | JIS(106)キーボード,AXキーボード | |
マウス(オプション) | RX232-Cインタフェース,PS/2 | |
インタフェース | RS-232C | 1チャネル標準装備(DSUB9ピン,ASYNC) |
プリンタ | 1チャネル標準装備(セントロニクス・インタフェース,DSUB25ピン) | |
外部FDD | 1チャネル標準装備 | |
外部ディスプレイ | 1チャネル標準装備 | |
外部キーボード | 1チャネル標準装備(6極ミニDIN) | |
ICカード | 2スロット標準装備(PCMCIA 2.0準拠,Type II/III各1) | |
電源 | AC 100V±10%,周波数50/60Hz±1Hzz | |
消費電力 | 49VA | |
発熱量 | 21J/S | |
外形寸法(mm) | 297(幅)×210(奥行)×25.4(高さ) | |
本体重量 | 1.4kg |