AXアーキテクチャを採用した32ビットラップトップパコソンif386AX50シリーズは1988年12月に発表された.
このAXアーキテクチャとは,1987年にマイクロソフト社と国内企業10数社が参加してAX協議会を組織し,IBM社のPC/AT互換機に日本語機能を付加したAX規格が作成され,この規格に準拠したアーキテクチャのことであった.AXは(1)統一された操作性,(2)システム相互の接続性,(3)ソフトウェアおよびデータの互換性,(4)システムの拡張性,(5)IBMパソコン「PC/AT」の互換性をコンセプトにしたものであった.
if386AX50シリーズの主な特徴は,CPUに32ビットマイクロプロセッサ80386(クロック周波数16MHz)を採用しAX仕様ラップトップとしては日本初の高速処理を実現した.また,高速演算プロセッサ80387の搭載も可能であった.標準装備のMS-DOSではマルチウィンドウインタフェースであるMS-Windows2.1をサポートし,マルチウィンドウやマルチタスクを実現した.これ以降,沖電気は従来のif800シリーズとif386AXシリーズを併売することになる.
続いて,1989年5月に,コミュニケーションボードを装備可能な30L〜32Lが発表された.コミュニケーションボードには最大250件の電話番号を登録できる電子電話帳,電話の自動発信/受信機構,2,400bpsモデムが装備されていた.
1990年8月にはif386AX51Lの姉妹機として,「AX仕様,ラップトップ,32ビット」のコンセプトに加えカラー液晶ディスプレイを装備した51LCを発表した.
if386AX50L | if386AX51L | if386AX51LC | |
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発表時期 | 1988年12月 | 1990年8月 | |
CPU |
32bitマイクロプロセッサ 80386(16MHz) |
32bit マイクロプロセッサ80386DX(16MHz) |
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OS | MS-DOS | ||
メモリ | ROM96KB RAM2〜4MB(最大) | ||
表示部 | 640×480 | 640×480 | |
8階調 バックライト付液晶 漢字表示16×19ドット |
バックライト付 TFT方式液晶 漢字表示16×19ドット |
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表示色 | モノクロ | カラー64色中16色/8色 | |
内蔵フレキシブルディスク |
3.5インチ 1.44MB×2 |
3.5インチ 1.44MB×1 |
3.5インチ 1.44MB×1 |
固定ディスク | - |
3.5インチ 40MB×1 |
3.5インチ 40MB×1 |
インタフェース | RS232C,セントロニクス,外付けCRTインタフェースなど | ||
拡張スロットル | AXハーフサイズ仕様,16bitバスなど | ||
特徴 | 外部カラーCRT接続可 |
if386AX30L | if386AX31L | if386AX32L | |
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発表時期 | 1989年5月 | ||
CPU |
32bitマイクロプロセッサ 80386SX(16MHz) |
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OS | MS-DOS | ||
メモリ | ROM96KB RAM1〜2MB(最大) | ||
表示部 | 640×480 | ||
8階調 バックライト付液晶 漢字表示16×19ドット |
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表示色 | モノクロ | ||
内蔵フレキシブルディスク |
3.5インチ 1.44MB×2 |
3.5インチ 1.44MB×1 |
3.5インチ 1.44MB×1 |
固定ディスク | − |
3.5インチ 20MB×1 |
3.5インチ 40MB×1 |
インタフェース | RS232C,セントロニクス,外付けCRTインタフェースなど | ||
拡張スロットル | AXハーフサイズ仕様,16bitバスなど | ||
特徴 | 外部カラーCRT接続可 | ||
コミュニケーションボード(オプション) |