1996年に東芝が発表したPCサーバのシリーズ.ミッドレンジ機として,1996年2月にGS500,同年10月にGS700,1997年10月にGS700S,GS750S,およびGS700FRが発表された.同様に,エントリ機として,1996年10月にGS400,1997年5月にGS200D,同年10月に,GS200S,およびGS300Sが発表された.さらに,エントリ機よりも小さなスモールエントリ機も,1996年7月にGS100,1996年10月にGS200,およびGS250が発表された.
GSシリーズは,ミッションクリティカルなシステムへの適用を想定して,スケーラビリティと高信頼性が重要な課題であった.スケーラビリティに関しては,1〜4台のCPUによる対称型マルチプロセッサ機能が実現された.一方,高信頼性に関しては,電源装置の冗長化(二重化),RAIDディスクの採用,サーバ監視機能の搭載,クラスタ構成によるフェールオーバの実現などが実施された.また,GS700FRには,スーパー・フォルト・レジリアント機能(SFR機能)と呼ばれる,システムダウンを回避する技術も採用された(SFR機能に関しては,GS700FRの解説を参照されたい).
電源装置の冗長化により,電源装置故障発生時にもシステムの停止を回避することができるが,さらに電源装置のホットスワップ機能が提供されていたので,システムを停止することなく故障した電源装置の交換をすることができる.
ディスクとしては,当初,RAID 0,1,5が提供された.1997年5月以降は,RAID 10,50が追加され,さらに,システム無停止でHDD容量を拡張することを可能としたオンライン拡張機能も導入された.また,ホットスペアディスク,ホットスワップディスク機能により,HDD障害発生時の修復,修理の負荷を軽減した.
サーバ監視機能としては,本体のCPUとは独立して動作するAMSボードが装備されており,CPU状態がどのような状態であっても,常にローカルまたはリモートからLAN接続されているサーバのハードの管理・監視が可能を可能とした.
クラスタ機能としては,当初は,2台のHDDを共有するコンピュータ間での密結合型クラスタ構成を実現した.1997年10月には,DNCWARE for HAにより,4ノードの密結合型クラスタ構成が可能となった.
GS100 | GS200 | GS250 | |
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発表時期 | 1996年7月 | 1996年10月 | 1996年10月 |
CPU | Pentium 133MHz×2 | PentiumPro 200MHz | PentiumPro 200MHz |
最大メモリ | 256MB | 256MB | 256MB |
最大HDD容量 | 2GB×6台 | 2GBX6台 | 4GBX6台 |
障害対策 | 冗長化電源 HDD RAID0/1/5(*1) |
冗長化電源 HDD RAID0/1/5(*1) |
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その他 | NetWARE4.1J | NetWARE |
- (*1) 1997年5月に,RAID10/50/オンライン拡張を追加
- (*2) 1997年5月から追加
GS200D | GS200S | GS300S | GS400 | |
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発表時期 | 1997年5月 | 1997年10月 | 1997年10月 | 1996年10月 |
CPU | PentiumPro 200MHz×2 | Pentium II × 2 (233MHz/300MHz) |
Pentium II 300MHz×2 | PentiumPro 200MHz×2 |
最大メモリ | 512MB | 512MB | 512MB | 512MB |
最大HDD容量 | 4GB×6台 | 9GB×4台 | 4GB×6台 | 4GB×6台 |
障害対策 | 冗長化電源 HDD RAID 0/1/5/10/50/ オンライン拡張 |
冗長化電源 冗長化ファン HDD RAID 0/1/5/10/50/ オンライン拡張 |
冗長化電源 HDD RAID 0/1/5/10/50/ オンライン拡張 |
冗長化電源 HDD RAID 0/1/5(*1) |
その他 | 自動シャットダウン機能 密結合2ノードクラスタ サーバ監視機構(AMS) |
自動シャットダウン機能 サーバ監視機構 DNCWAREとの組み合わせにより4ノードまでのクラスタ可 |
自動シャットダウン機能 サーバ監視機構 DNCWAREとの組み合わせにより4ノードまでのクラスタ可 |
自動シャットダウン機能 密結合2ノードクラスタ サーバ監視機構(*2) |
GS500 | GS700 | GS700S | GS750S | GS700FR | |
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発表時期 | 1996年2月 | 1996年10月 | 1997年10月 | 1997年10月 | 1997年10月 |
CPU | Pentium 133MHz×4 | PentiumPro 200MHz×4 | PentiumPro 200MHz×4 | PentiumPro 200MHz×4 | PentiumPro 200MHz×4 |
最大メモリ | 1GB | 4GB | 4GB | 2GB | |
最大HDD容量 | 4GB×18台 | 4GB×18台 | 9GB×18台 | 9GB×18台 | 4GB×18台 |
障害対策 | 冗長化電源 HDD RAID 0/1/5 |
冗長化電源 HDD RAID 0/1/5(*1) |
冗長化電源 HDD RAID 0/1/5/10/50/ オンライン拡張 |
冗長化電源 HDD RAID 0/1/5/10/50/ オンライン拡張 |
冗長化電源 HDD RAID 0/1/5/10/50/ オンライン拡張 SFR機能(*3) |
その他 | 自動シャットダウン機能 密結合2ノードクラスタ サーバ監視機構(*2) |
自動シャットダウン機能 サーバ監視機構 DNCWAREとの組み合わせにより4ノードまでのクラスタ可 |
自動シャットダウン機能 サーバ監視機構 DNCWAREとの組み合わせにより4ノードまでのクラスタ可 |
自動シャットダウン機能 サーバ監視機構 DNCWAREとの組み合わせにより4ノードまでのクラスタ可 |
- (*1) 1997年5月に,RAID10/50/オンライン拡張を追加
- (*2) 1997年5月から追加
- (*3) スーパー・フォルト・レジリアント機能の略称で,障害発生時に自動的に障害お発生直前の状態に戻って再実行することによりサーバダウンを回避する機能