電電公社におけるOSの実用化は,国産他社機では互いに競合していた共同研究3社(日本電気,日立製作所,富士通)が,電電公社電気通信研究所と一体になって単一のOSを開発することを基本にして,汎用性,柔軟性,標準化,互換性,生産工程の整備などを進めながら始まった.
DIPS-100OS実用化のポイントとしては,ローカルメモリの活用と仮想空間,マルチプロセッサなど各種運転,処理形態への対応などが必要であったが,これらを一気に開発するのは困難と見て,マルチプロッセッサ化を後回しにした.OS開発用のプロトタイプとして101OSをまず開発し,バッチ処理用の102OS,デュプレックス運転用の標準OSとして103OS,マルチプロセッサ運転用の104OSと,段階的に開発して実用化を進める計画であった.