【OKI】 CROS/F,CROS/D

OKITACsystem9は情報処理の担い手として,次の基本方針に基づいて開発された.

  • ハード,ソフト両面からの操作性の向上
  • 信頼性,保守性に関する機能強化
  • マルチワークシステムの容易な構築
  • 日本語処理機能および,図形処理機能の充実
  • AP開発の簡便化
  • ソフトウェア資産の継承性
  • 下位から上位までのソフト互換性

 CROS(Conversational Realtime Oriented System)は,このOKITACsystem9新シリーズのOSである.格納媒体の違いでハードディスクを利用するCROS/Dとフロッピーディスクを利用するCROS/Fが用意されていた.両システムとも,アプリケーションの運用とプログラムの開発の双方の機能を持つ多目的なリアルタイムシステムである.
 CROSの特長を次に示す.

・高速なリアルタイムシステム
最高250段階の優先制御を行い,最大250個のタスクを同時実行できる制御と機能を有し,タイマーや外部割込み等の事象対応の機能が用意され,リアルタイム性の充実を図っている.
・マンマシンインタフェースの向上
プログラム開発に必要な各種プログラムを対話型で操作できるようにするとともに,オペレータコマンドを端末から入力するだけでなく,ファイル登録したコマンド群を1つのコマンドとして呼び出せる機能を用意した.
・マルチワークシステム
複数のユーザ(オペレータ)が同時にプログラム開発やプログラム実行をするマルチターミナル制御機能や,システム利用権やファイルアクセス権のチェック機能も用意し,より充実したマルチワークを可能にした.
・ファイル操作
ハードウェア等の詳細な知識がなくても,業務目的に効果的で柔軟に対応できるよう,順編成,直接編成,分割順編成,索引編成の4種類のファイル編成を用意している.
・日本語処理
日本語処理機能は,日本語処理機能をサポートする各種プログラムと辞書が用意されており,出力されるメッセージの日本語の採用,COBOL,BPLでの日本語データの定義や入出力が可能となっている.
・データベース管理システム
データベース管理システムは,データの定義と読み書きをプログラムから独立させ変更,拡張に容易に対応可能し,効率のよいデータ処理システムの構築に配慮されている.
・信頼性の向上
信頼性の向上を目指し,ファイルの復旧機能,入出力装置への再試行機能,ログ等による障害の切分けや予防保全機能を用意している.