【日本電気】 ITOS-VX

 ITOS-VXのVXは,Versatile eXtended(多用途 拡張)の頭文字で,ITOS-4(V)をさらに拡張したOSとして位置付けられる.
 スタンドアロンから大規模システムまでプログラムの一貫性を維持できるOS ITOS-VXを出荷.ハードウェアもマルチプロセッサを採用し性能を大幅に向上したことで大規模システムへ対応することが可能になった.
このOSを搭載したオフコンとしてNECシステム3100Aシリーズが,出荷された.

統合オフィスシステム“アラジン”の搭載
 データベースの活用やイメージ,音声などのマルチメディア処理を可能にした製品の要求に応え電子ファイリング,電子メールなどの各種オフィス業務を仮想オフィス上で統合処理できる統合オフィスシステムを提供.アラジンの主な機能は,
・オフィス管理機能(組織・環境・業務定義,管理機能)
・オフィスファイル機能(文書,表,グラフのファイル管理)
・オフィス電子伝票機能(EDP化されていない少量の伝票処理)
・オフィス掲示/案内機能(問合せに対する機能)
・分散オフィス機能(複数のオフィスプロセッサ間を繋ぐ)
・VIAオフィス機能(オフィスプロセッサ上に蓄積された情報をアラジンで活用)

図-1 アラジンシステム概要

図-1 アラジンシステム概要

PCサーバ,PC-RDBサーバの提供
 1988年5月にオフィスコンピュータとクライアントPC(MS-DOS)のデータ連携機能 PCサーバを強化した.PCサーバは,ネットワークで接続されたサーバ上のデータを,クライアントのアプリケーションから直接アクセスする機能を提供した. 
 同年12月には,データ連携機能 PC-RDBサーバを強化した.PC-RDBサーバは,ネットワークで接続されたサーバ上のデータベースを,クライアントのアプリケーションから直接アクセスする機能を提供した.クライアントアプリケーションには,市販のPC-RDBサーバ対応ソフトウェア(LOTUS,ファラオなど)が利用できた.このPC-RDBサーバは,Windows3.1にも対応し,クライアントPCとのデータ連携機能として,より重要なものになっていった.クライアントアプリケーションには,市販のODBC対応ソフトウェアも利用できるほか,Basic言語,C言語などでアプリケーションを構築することもできた.
 ITOS-VXの最大端末接続台数は240台まで拡大し,通信回線も最大64回線まで接続できる大規模なサーバへと成長してきた.

 
ITOS-VX COBOL85システムサブルーチン(説明書表紙)ITOS-VX SMART II EX(説明書表紙)