【リコー】RICOM 2000シリーズ

 独立したユニット周辺機器の組合せが自在なコンポーネントタイプのオフコン.

 「RICOM 2000」は,RICOM,リコーペンコール両シリーズの集大成として,ハードからソフトまで一貫して自社開発したオフコンで,1979年12月に発売された.マイクロプロセッサをCPUに搭載し,すべて独立したコンポーネント(記憶部,ディスプレイ,キーボード,プリンタなど)をCPUからの直結ではなく,同軸ケーブルで数珠つなぎに接続するデイジーチェーン方式を取った点が大きな特徴.システム変更に合わせて各ユニットの交換や増設ができるため,常に最新のシステムにバージョンアップすることができた.

 出力媒体として当時まだ珍しかった片面−両面,単密−倍密度自動切換え方式のリコー製フロッピーディスクドライブを採用し,漢字プリンタも装備した.また,独自開発したオフコン用OS「COMPOS」を搭載し,プロッピーベースのオフィスコンピュータにもかかわらず複数の異なった業務を同時に処理することが可能.(「COMPOS」は,自動連続処理言語JCLや,簡易言語RAPID,多重検索処理機能SAPORTなど各種言語が使用できる高性能オペーレションシステム.)本体記憶容量は,64キロバイト,112キロバイト,160キロバイトの3通り.入力装置は,ペンタッチ方式,押ボタン方式,タイプライタ方式の3種類がある.出力装置も同様に,高速ドット方式,漢字ドット方式,活字インパクト方式があり,入出力装置はどれも自由に組合せが可能でユーザの利便性を高めていた.

 RICOM2000シリーズは,オフコン市場で約25%のシェアを獲得して一時代を画した.


  
RICOM 2000