【富士通】 FUJITSU K6000シリーズ

FUJITSU K600Siシリーズの後継となる富士通のオフィスコンピュータ.1991年5月に富士通から発表されたコンセプト「MESSAGE 90s(注1)」に準拠するシリーズとして,FUJITSU K-1500シリーズ(オフコン向けのワークステーション)と共に全9機種24モデル(注2)が,1992年10月に発表された.新シリーズの役割に合わせて新たなオペレーティングシステム(OS)「ASP」が併せて提供され,加えて,国際標準データベース言語SQLをベースにしたリレーショナルデータベース「RDB/6000」がリモートデータベースアクセス機能「RDA/SV」とともに新たに提供された.次の特徴を持つ.

(1) オープンシステムへの対応
LANで接続されたPCやワークステーションとの連携.MESSAGE 90sに準拠し,PCのISV(独立ベンダ系)ソフトウェアを使いやすい環境の提供.
(2) 使いやすさ,運用のしやすさ
GUI(グラフィカルユーザインタフェース)の強化,FAX連携,など.
(注1)MESSAGE 90s(メッセージナインティーズ)
1991年5月に富士通から発表された1990年代の情報システム構築の新たなコンセプト.エンドユーザコンピューティングの時代に向けて,社内システムに蓄積された多くの情報を,エンドユーザーがPC/WSを介して自由にアクセスできる環境をさまざまなISV製品を含めて構築することを目指したコンセプト.そのために,OS等の違いを超えたデータの共有を可能にする.具体的には情報システムの中でのデータの利用のされ方に注目し,それを次の3つのパターンに分類し,それらの自由な組合せを可能にする提案である.
[1] オペレーショナル連携パターン:
基幹データ・業務データを対象とし,日常定型的な処理を行うパターン.
[2] マネジリアル連携パターン:
経営情報のデータや部門向け公開データを用いた分析や意思決定支援などを行うパターン.
[3] オフィスデータ連携パターン:
ワープロや表計算ソフトなどオフィスでの個人情報利用を中心としたパターン.
(注2)FUJITSU K-6000シリーズ:5機種14モデル(表参照)
FUJITSU K1500シリーズ:3機種6モデル(K-1500LX/10,30.K-1500LT/10,30.K-1500NB/05,10)
FUJITSU K-6000シリーズ 諸元
機種名
(下段:
モデル名)
K-6300 K-6300 K-6500 K-6700 K-6900
DT 10 20 10 20 30 10 20 30 40 10 20 30 40
発表時期 1992年10月
主記憶容量 2MB〜
8MB
4MB〜
24MB
6MB〜
60MB
16MB〜
160MB
32MB〜
384MB
ディスク容量 135MB〜
752MB
292MB〜
3.8GB
460MB〜
11.0GB
1.1GB〜
53.3GB
3.0GB〜
99.1GB
最大直接
接続WS数
6台 40台 112台 336台 896台
最大LAN
接続WS数
1024台 2048台
最大回線数 2回線 9回線 49回線 89回線 128回線
OS ASP(*2)
その他
  • CPUの強化:K-6900では
    CMOS8万ゲートスタンダードセルVLSIを採用.
  • 落雷などによる停電対策としてインテグレーテッドUPS
    (内蔵型無停止電源機構)を標準装備
  • 使いやすさを追求した新OS「ASP」

(*1)直接接続およびLAN接続されるワークステーションの合計最大数

(*2)従来のCSP/FXの後継OS.使いやすさの追求をテーマに,CSP/FXからの互換性を保ちつつ, TCP/IPへの対応,PCとの連携性のよいファイル管理強化など,ネットワーク連携性を高めたOSとなっている.

以上の諸元は発表時のもので,その後の改良で変更されている場合がある.


FUJITSU K-1500FUJITSU K-6300FUJITSU K-6900