日本電気は,1984年4月,国内で初めて32ビット1チッププロセッサを採用したオフィスコンピュータNECシステム100/58,同150/68,同150/78を発表した.
主な特長は,
- 1)中央処理装置のプロセッサに,24,000ゲート(87,000トランジスタ相当)のCMOSカスタムLSIで実現した32ビットプロセッサを採用した.このカスタムLSIは8086の3倍の密度であり,プロセッサの演算速度は日本電気のそれ以前のプロセッサの約2倍の速度を達成した.さらに,中央処理装置の部品点数がそれ以前の機種の1/3,パッケージ枚数では1/4になり,信頼性の向上,小型化を可能にした.
- 2)当時OA化が進み,オフィスでの多様な用途に応えるため,OCR,テレホンターミナル,工業用データターミナル,POS,PBXなど各種のOA機器を接続した複合化システムの構築を可能にし,またローカルエリアネットワーク(LAN)を用いて,パソコンやホストコンピュータと接続した統合化システムを可能にする多くの機能を有した.特に他システムのワークステーションを自システムのワークステーションとして利用できる仮想リモートワークステーション機能のほか,他システムのファイル装置をあたかも自システムのファイル装置として使用できる遠隔ファイルアクセス機能を有していた.
項目 | NECシステム100/58 | NECシステム150/68 | NECシステム150/78 | |
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発表 | 1984年4月 | |||
プロセッサ | 32bitプロセッサ | |||
最大メモリ容量 | 1MB | 2MB | 4MB | |
ワークステーション | 接続台数 | 最大8台 | 最大16台 | 最大24台 |
CRT |
14インチ(モノクロ,カラー) 英数カナ2,000字,日本語1,000字(明朝体) |
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キーボード | キーボード(JIS配列),タッチキーボード | |||
フロッピーディスク | 1MB/台×2 | |||
磁気ディスク (8インチ) |
容量 | 63/125MB/台 | 63/125MB/台 | 125MB/台 |
接続台数 | 2 | 4 | 8 | |
カートリッジ磁気テープ | 約30MB/巻 | |||
磁気テープ | 9トラックタイプ | |||
シリアルプリンタ | 日本語タイプ | 40/70字/秒,明朝体 | ||
英数カナタイプ | 35/100/200字/秒 | |||
日本語プリンタ | 100行/分,明朝体 | |||
日本語オフィスプリンタ | 6枚/分(A4,3LPI),熱転写方式 | |||
ラインプリンタ | 200/400/600行/分 | |||
通信機能 | 回線数 | 最大8回線 | 最大16回線 | |
回線種類 |
公衆/特定通信回線, DDX回線交換/パケット交換サービス |
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手順 | NEC標準手順,BSC手順,JCA手順,HDLC/SDLC手順 | |||
ローカルエリアネットワーク | C&C-NET BRANCH4670 | |||
オペレーティングシステム | ITOS-4(V) | |||
データベース | リレーショナル型データベース(ITOS-RDB) | |||
言語 | COBOL,SMART,FORTRAN | |||
OAユーティリティ | PRISM-NWP,PRISM-GRAPH,PALET | |||
アプリケーション | APLIKA(業務別,業種別各種) |