【三菱電機】 MELCOM80 モデル31

演算部にマイクロプロセッサ(ビットスライス型TTL MSI)を,主メモリにMOS LSIを使用するなど,LSI,MSIコンポーネントを基本にした実装方式を採用し,基本ソフトウェアに多重処理OS「AOS」を採用した三菱電機のオフコンであり,1974年に発表された.

中央処理装置(CPU)はマイクロプログラム方式を採用しており,LSIやMSIの採用と併せて,CPUは,従来のハード・ワイヤード・ロジック方式に比べ非常にシンプルになり,小型高密度化され,高い信頼性と保守性を実現することができた.主記憶は,サイクルタイム0.8μsで,最大64キロバイトであった.

MELCOM80モデル31では,容易にプログラムできる簡易言語「プログレス」を開発し,専門家でなくてもプログラムを可能とした.プログレスは,業種・業務の要素を機能的に分類,再編成してパターン化したもので,プログラムの詳細な動きを考えたり,計算機サイドのシステム設計をしたりする必要が無く,記入シートに要求だけを書けば自然にプログラムができる.また,記入シートの内容は,そのままプログラム仕様書としても利用できる.これらにより,システム設計やプログラム作成の能率を大幅に向上させることができるようになった.後継の「プログレスII」を含め,生産性の高い開発環境は,三菱電機のオフコンの最大の特長である.


  
MELCOM80 モデル31