富士通の卓上型オフィスコンピュータで,1984年5月にFACOM Kシリーズを構成する機種として発表された.
FACOM K-10は,スタンドアロンオフコン機能と上位オフコンのワークステーション機能の2つの機能を実現したことを最大の特長としている.前者の機能として,販売業務などの業務処理と文書作成などのOA処理の2つの処理の同時実行,さらにその2つの処理画面をワンタッチ操作により切り替えることを可能にするなど,使いやすさと作業性の改善を実現した.また,FACOM K-200シリーズをホストコンピュータとしてネットワークで接続し,FACOM K-10のOA処理ソフトウェア(EPOCシリーズ)で作成したデータをホストコンピュータで利用したり,ホストのプログラムをFACOM K-10で分散開発を可能とするなど,クライアントサーバシステムの先駆けともいえる垂直分散処理システムを提供した.この優れた操作性,機能性は顧客に大好評で,「小さく入れてどんどん大きく」をキャッチフレーズに,一気に顧客を拡大した.
1986年5月にCPUの高速化およびメモリ容量の拡大を図った改良機FACOM K-10Rが発表された.その後FACOM K-100シリーズへと展開された.
| 機種名 | FACOM K-10 | FACOM K-10R | 
|---|---|---|
| 発表時期 | 1984年5月 | 1986年5月 | 
| CPU | i8086 8MHz | i80286 8MHz | 
| 主記憶容量 | 最大1MB (ユーザエリア 192KB/384KB) | 最大2MB (ユーザエリア 256KB/512KB) | 
| 内蔵ディスク装置 | 5インチ 20MB×1(基本)〜2台 | 5インチ -/20/43 MB | 
| 内蔵フロッピィディスク | 5インチ/8インチ 内蔵ディスクなしタイプ:2台 内蔵ディスク付きタイプ:1台 | 5インチ/8インチ 内蔵ディスクなしタイプ:2台 内蔵ディスク付きタイプ:1台 | 
| 回線 | 最大1回線 | 最大2回線 | 


