日本ソフトウェアは,1966年10月,ソフトウェア(OS)開発を目指して,日立・日本電気・富士通の3社が均等出資し,日本興業銀行も加わって設立された企業である.同社設立の背景には,通産省が工業技術院電気試験所の5年間の大型プロジェクトの一環として,1971年までにIBMシステム/360を超える「超高性能電子計算機の開発」を進めたい意図があった.
通産省としては,3社間で互換性のある共通化したOSを開発することを期待したが,落としどころが見つからず,共通ソフトウェア部分だけを同社で,固有ソフトウェア部分は日立,日本電気,富士通の3社に委託するという線引きがなされた.しかしながら,開発した共通ソフトウェアは実用に至らなかった.そのため,委託期間が終了すると,同社は経営不振に陥り,1972年12月に解散することになった.