「パラレルACOSシリーズ」として,1994年5月に小型機種「AX7300」,1994年7月に中型機種「PX7500」が発売され,大型,超大型機領域をカバーする「PX7800」は1994年12月に発売された.「パラレルACOSシリーズ」は並列指向を取り入れた汎用コンピュータとして,「ACOS」アーキテクチャ(設計思想)を踏襲した1チップCMOSプロセッサを複数個並列に結合し,低価格で高性能な汎用コンピュータの提供,既存ソフトウェア資産の継承,オープン製品との連携機能の充実,柔軟な構成能力と拡張性を実現することを基本構想としていた.AX7300,PX7500は1チップCMOSプロセッサNOAH(ノア)-1チップを二重化して,双方の結果を監視する冗長構成をとることで,高信頼化を図り,メモリアクセスは間欠故障の救済手段として再試行機能を備えていた.PX7800は汎用超大型コンピュータの機能を1チップに収めたCMOS型の演算プロセッサNOAH(ノア)-2を最大16個結合したメモリ共有型CPUを実現している.このCPUを最大4台結合し,64個の演算プロセッサからなるファイル共有型並列システムを構成することができた.NOAH-2チップはパリティビットによる故障検出,ソフトウエア命令リトライ,プロセッサリリーフなどの機能をチップに内蔵し,RAS機能の充実が図られていた.
AX7300 | PX7500 | PX7800 | |
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使用プロセッサ | NOAH-1 | NOAH-1 | NOAH-2 |
EPU 構成 | NOAH-1×2 +キャッシュメモリ |
NOAH-1×2 +キャッシュメモリ |
1Chip EPU |
EPU数最大 | 4 | 4 | 16 |
主記憶容量最大 | 224MB | 512MB | 2GB |
チャネル本数最大 | 48 | 96 | 256 |
最大総合転送能力 | 160MB/s | 320MB/s | 1GB/s |