CMOS(注1)汎用プロセッサを採用した富士通の新たな汎用コンピュータシリーズ.1995年5月,従来のFUJITSU M-1000シリーズの後継として2モデルグループ(FUJITSU GS8400とGS8200)が発表された.翌年の1996年1月には最上位のFUJITSU GS8600モデルグループが発表された.GS8600では,GS8400に対し1.7倍の性能を持つCMOSプロセッサが採用されている.FUJITSU GS8000シリーズは,基幹業務のクライアント・サーバ適用を支え,全社規模の情報の管理と処理をつかさどる中核サーバ,すなわちグローバルサーバ(GS)と位置付けている.このGS8000シリーズは以下の特徴を持つ.
- (1)ECL(注2)に代わり,富士通の大型汎用機として初めてCMOSテクノロジ(0.35μm)を採用.
- (2)MCM(注3)による高密度実装
MCMはCMOSにて高性能を発揮するための高密度実装を可能にする.
- (3)並列技術SCMP(注4)による高いスケーラビリティ
GS8400ではエントリモデル(GS8400/10Q)から最大の8クラスタモデル(GS400/800)まで,64倍の性能レンジをカバー.
- (4)基幹システムを支える信頼性をクラスタモデルでの活性保守・活性増設(注5)
- (注1)CMOS: Complementary Metal Oxide Semiconductor(相補性金属酸化膜半導体)
- (注2)ECL: Emitter Coupled Logic (エミッタ結合論理)
- (注3)MCM: Multi-Chip Module
複数のLSIチップを基盤上に搭載したモジュール.
- (注4)SCMP: SSU Coupled Multi-Processor (SSU: System Storage Unit(システム記憶))
FUJITSU M-1800モデルグループ(1990年)とともに提供された方式.
- (注5)活性保守・活性増設: コンピュータを止めることなく機器の保守(取替など)や増設を行うこと.コンピュータの24時間連続運転に必要な技術.
FUJITSU GS8600モデルグループ(シングルクラスタモデル) 諸元
モデル名 |
10 |
20 |
30 |
40 |
60 |
80 |
発表時期 |
1996年1月 |
相対性能(*) |
1 |
1.8 |
2.5 |
3.2 |
4.6 |
5.8 |
CPU数 |
1 |
2 |
3 |
4 |
6 |
8 |
主記憶容量 |
128MB〜4GB |
256MB〜8GB |
システム記憶容量 |
256MB〜16GB |
チャネル |
16〜248台 |
(*)GS8600/10を1とした場合
FUJITSU GS8600モデルグループ(マルチクラスタモデル) 諸元
モデル名 |
200 |
300 |
400 |
500 |
600 |
700 |
800 |
発表時期 |
1996年1月 |
クラスタ数 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
CPU数 |
1〜8/クラスタ |
システム記憶容量 |
256MB〜16GB ×2重化(標準) |
クラスタ接続装置 |
2台(2重化標準) |
FUJITSU GS8400モデルグループ(シングルクラスタモデル) 諸元
モデル名 |
10Q |
10R |
10S |
10 |
20S |
20 |
30 |
40 |
発表時期 |
1995年5月 |
相対性能(*) |
1 |
1.4 |
2.0 |
2.7 |
3.4 |
4.6 |
6.3 |
8.0 |
CPU数 |
1 |
2 |
3 |
4 |
主記憶容量 |
最大512MB |
最大1GB |
システム記憶容量 |
最大2GB |
チャネル |
最大32台 |
最大64台 |
(*)GS8400/10Qを1とした場合
FUJITSU GS8400モデルグループ(マルチクラスタモデル) 諸元
モデル名 |
200 |
300 |
400 |
500 |
600 |
700 |
800 |
発表時期 |
1995年5月 |
クラスタ数 |
2 |
3 |
4 |
5 |
6 |
7 |
8 |
CPU数 |
1〜4/クラスタ |
システム記憶容量 |
最大2GB |
最大4GB |
クラスタ接続装置 |
1台 |
FUJITSU GS8200モデルグループ(シングルクラスタモデル) 諸元
モデル名 |
10R |
10S |
10 |
20S |
20 |
30 |
40 |
発表時期 |
1995年5月 |
相対性能(*) |
1.0 |
1.3 |
1.7 |
2.3 |
3.0 |
4.2 |
5.0 |
CPU数 |
1 |
2 |
3 |
4 |
主記憶容量 |
最大252MB |
最大380MB |
システム記憶容量 |
最大128MB |
チャネル |
最大32台 |
(*)GS8200/10Rを1とした場合
FUJITSU GS8200モデルグループ(マルチクラスタモデル) 諸元
モデル名 |
200 |
300 |
400 |
発表時期 |
1995年5月 |
クラスタ数 |
2 |
3 |
4 |
CPU数 |
1〜4/クラスタ |
クラスタ接続装置 |
1台 |
2台 |
以上の諸元は発表時のもので,その後の改良で変更されている場合がある.