1985年2月,日本電気は,世界最大・最高速の汎用コンピュータACOSシステム1500シリーズを発表した.同シリーズは,ゲート当たり遅延時間250ピコ秒の300ゲートバイポーラ論理LSI(CML),ゲート当たり遅延時間350ピコ秒の2,000ゲートバイポーラ論理LSI(CML),アクセスタイム3.5ナノ秒の1キロビットバイポーラRAMなど高速LSIの採用,ならびに2レベルの大容量高速キャッシュメモリや高度のパイプライン方式,高精度の分岐予測方式などの高速化技術を駆使して演算速度を飛躍的に高めている.また,統合アレイプロセッサの搭載によりスーパーコンピュータに迫る科学技術計算性能を持っていた.
さらに,マルチシステム制御処理装置(MSCP)と多重システムデータベース共有機能(MDSF)によりデータベースの共有を可能とし,多重システム集中監視機能(MSSF)等を利用することで,最大4台までの密結合マルチプロセッサ,さらに最大4システムの疎結合マルチプロセッサシステムの高度で大規模なシステムの構築が可能であった.また,多重システムRAS機能等を利用することにより,ホットスタンバイシステムが構築でき,信頼性,稼働性を大幅に高めることが可能であった.
S1510 | S1520 | S1530 | S1540 | |
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発表時期 | 1985年2月 | |||
OS | ACOS-4 | |||
演算処理装置台数 | 1 | 2 | 3 | 4 |
主記憶容量 | 最大128MB | 最大128/256MB | 最大256MB | |
キャッシュメモリ | ||||
命令キャッシュ | 64KB | 64KB×2 | 64KB×3 | 64KB×4 |
オペランドキャッシュ | 64KB | 64KB×2 | 64KB×3 | 64KB×4 |
システムキャッシュ | 512KB | 512KB/512KB×2 | 512KB×2 | 512KB×2 |
チャンネル本数 | 最大48本 | 最大48本/96本 | 最大96本 | |
CPU素子 | バイポーラCML | |||
メモリ素子 | 256KビットDRAM |