EX830,EX840は,ゲート遅延時間0.5n秒,6000ゲートの高速高密度ECL-LSIと,アクセス時間7n秒の高速ECL-RAMを使用して高速化を図り,かつ,汎用コンピュータとしては画期的な1平方メートル・1立方メートルの省スペースを実現している.EX850は,EX840に増設プロセッサ架を付加するだけで構成できるデュアルプロセッサシステムである.
EX860,EX870,EX880は,ゲート遅延時間0.4n秒,2500ゲートの高速高密度ECL-LSIと,アクセス時間5n秒の高速ECL-RAMを使用した上位機である.設置スペースがEX830等と同一に設計されており,顧客サイトでの本体装置のアップグレードが容易になっている.EX880では,2つの基本処理装置を密結合するダイアディックプロセッサ構成を実現するとともに,片方の基本処理装置が故障しても,それを切り離して運転し,システムの可用性を高めている.
EXシリーズのOSとしては,システム規模の拡張,デュアルプロセッサのサポートや各種資源利用の最適化によるシステム処理能力の向上,大容量磁気ディスク装置のサポートなどによる情報蓄積能力の拡大,TSS・バッチ共通のコマンドプロシージャ機能やシステムの運用・操作を簡素化するオペレーションプロシージャ機能の利用によるシステム構築の容易性などの特徴を持っているGOS/VSを開発した.
EX830 | EX840 | EX850 | EX860 | EX870 | EX880 | ||
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発表時期 | 1985年1月 | 1987年10月 | |||||
処理能力比* | 1 | 1.4 | 2.4 | 2.8 | 4.2 | 7 | |
主記憶 | 素子 | 256KbitNMOS LSI | 1MbitCMOS LSI | ||||
最大容量 | 8MB | 16MB | 64MB | ||||
バッファ記憶 | 16KB | 32KB | 64KB | 32KB | 64KB | 128KB | |
チャネル台数 | 最大5台 | 最大8台 | 最大16台 | 最大12台 | 最大24台 |
(*)処理能力はEX830比