【富士通】 F6722D カット紙日本語ラインプリンタ装置

富士通の最大毎分125ページの高速印刷を実現したカット紙日本語ラインプリンタ装置.同社では,省資源,省スペース,帳票の標準化という市場要求に対して,両面印刷可能なカット紙日本語プリンタとして,1989年2月に毎分50ページのFACOM 6724C/D,1990年3月に毎分125ページのF6722Dを開発した.このF6722Dでは,高速印刷を実現するため以下の新しい技術を採用した.

1) 毎分100ページを越えるプリンタとして世界で初めて発光ダイオードアレイを採用
発光ダイオードアレイは,数千個もの発光ダイオードを印字分解能に等しいピッチで直線状に並べたもので,個々の発光ダイオードが各ドットに対応して感光ドラム上に露光する.
2) フラッシュ定着方式の採用
従来のカット紙プリンタでは,用紙上に転写されたトナー像を定着する方式として,加熱したローラによって紙を加圧する熱ローラ定着方式を採用していたが,本装置では富士通の連続紙プリンタで長年培われた技術を生かし,フラッシュ定着方式を採用した.この方式では,紙に直接接触しないため,カット紙の搬送安定性を損なうことなく定着できる.
3) 高速用紙給送機構および高速用紙反転機構の採用
高速の用紙搬送(約770mm/秒)を安定して行なうため,仮に複数枚の用紙を給送しても最上部の1枚だけしか搬送されないように新たな高速用紙給送機構を採用.また,用紙反転時に用紙づまり(ジャム)や斜行(スキュー)を防止するため同社独自の高速用紙反転機構を開発した.これらにより,A4サイズで毎分98ページの高速両面印刷を実現した.
カット紙日本語ラインプリンタ装置の諸元
  FACOM 6724C/D *1 F6722D
完成時期 1989年2月 1990年3月
印刷方式 レーザ書き込みによる
乾式電子写真方式
発光ダイオードアレイ書き込みによる
乾式電子写真方式
定着方式 熱ローラ定着 フラッシュ定着
印刷速度 A4サイズ片面印刷 最大50ページ/分 最大125ページ/分
A4サイズ両面印刷 最大40ページ/分
(20枚)
最大98ページ/分
(49枚)
解像度 240ドット/インチ
文字発生機構 基本:英数字・カナ 255種
漢字 8192字(JIS第1水準とJIS非漢字(3418字)含む)
最大18,432字収容可能(オプション)
印刷機能 両面印刷,縮小印刷(80%縮小,LP縮小),
図形印刷(オプション),イメージ印刷(オプション)
用紙サイズ A3, A4, A5, B4, B5, レター
主要接続機種 FACOM Mシリーズ

*1:FACOM 6724Cは100V電源,FACOM 6724Dは200V電源用


FACOM 6724C/Dカット紙日本語ラインプリンタ装置FACOM 6724C/Dの仕分け作業省力化機能
用紙を少しずらすオフセットスタック出力機能と仕分け用色紙挿入機能を使用して出力した例
F6722Dカット紙日本語ラインプリンタ装置