【富士通】 M2637磁気ディスク装置

M2637シリーズは,同社初の2.5インチ型磁気ディスク装置として1993年8月に出荷され,同社がモバイル製品市場に参入した製品であり,将来の小型磁気ディスク装置への適用の基礎になった製品でもある.フォームファクタは当時主流だった装置高さ19mmに対し若干低い17mmが採用され,薄型化指向への対応がなされた.この中に媒体3枚を収められ,装置容量として240メガバイトが達成された.

インタフェースはSCSI-2とATAの2種類が準備され,幅広いアプリケーションへの対応が図られた.同社は,Embedded servo(注1)でのZone bit recording(注2),1MPU制御(注3)といった小型磁気ディスク装置の標準テクノロジとなる技術をこの装置で確立し,後継装置へ応用された.

(注1) Embedded servo
    記録トラックの位置情報を,データ情報の間に埋め込む方式.
(注2) Zone bit recording
    ディスクの内外周をゾーンで分割し,記録周波数を変化させた記録方式.
(注3)1MPU制御
    データ制御とハードウエア制御を一つのMPUで実行する方式.


  
M2637磁気ディスク装置(2.5インチ)