【三菱電機】 MR521 固定磁気ディスク装置

直径5.25インチ(13.3cm)の磁気ディスクを使用し,厚さを従来機種の半分にした密閉型の固定磁気ディスク装置で,三菱電機が1983年に発表した.最大記憶容量は12.75メガバイトである.

この装置は,以下の特長を持っていた.

  • 従来機種(M4863型)に比べ,厚さを半分(ハーフサイズ:41mm)にし,2倍の実装密度が可能となった.
  • ハーフサイズながら,記憶容量12.75メガバイトの大容量を実現.
  • 平均シークタイム85msの高速アクセスで,5メガビット/秒の高速転送を実現.
  • ステッピングモータによるポジショニング機構,DCブラシレスモータを使用したダイレクト・スピンドル機構により,シンプルで高精度・高信頼のメカニズムとなっている.
  • 完全密閉型構造となっており,悪塵埃環境下の影響を受けない.
  • 業界標準のST506インタフェースを使用.
MR521 固定磁気ディスク装置の主な仕様
装置記憶容量 12.75MB
面容量 6.37MB
トラック容量 10,416byte
ディスク枚数 1
記憶可能面 2
シリンダ数 612
記録方式 MFM
ビット密度 9,201bit/inch
トラック密度 690/inch
データ転送速度 5.0Mbit/s(625KB/s)
位置決め時間 最小18ms,最大199ms,平均85ms
回転数 3,536rpm
回転待ち時間 平均8.48ms
外形寸法(幅×高×奥) 146mm×41.3mm×203.2mm
質量 1.6kg

1984年には,同サイズの筐体に記録円板を2枚(記憶化能面4面)搭載し,記憶容量を25.5メガバイトとしたMR522を発表した.
更に,1985年には,小型化を図ったボイスコイルモータを用いて平均位置決め時間を38ミリ秒に高速化すると共に,トラック密度を1.5倍の1,028トラック/インチに向上させてシリンダ数を971とし,ディスク2枚(記憶可能面3面)で記憶容量30.33メガバイトのMR533,及び,ディスク3枚(記憶可能面5面)で記憶容量50.55メガバイトのMR535を発表した.


  
MR521 固定磁気ディスク装置