1963年4月,日本電気は米ハネウェル(Honeywell)社からの技術導入により開発したNEAC-2400,3400,2800,3800を発表した.日本電気は,1962年7月にハネウェル社と技術導入契約を締結したが,その技術導入の最初の成果として作られた一連の電子計算機で,ハードウェア,ソフトウェアともに統一された設計方針に従って作られ,完全な互換性を持っている.このシリーズの電子計算機では,データの入力に始まり,分類照合,計算,結果の出力などのカスケードプロセッシングを,一貫してきわめて高能率かつ容易に行えるようになっている.すなわち,演算回路,コア記憶装置,磁気テープ装置,カードの穿孔および読み取りといった入出力装置に当時としては最高級の高速のものを用いている.
このシリーズの特徴は,同時処理を可能としていることで,NEAC-2400,3400ではプログラムの割り込みと優先処理が可能になっており,また,NEAC-3400ではカード記憶付加機構を使用してデータ移送時間にも演算ができるようになっている.NEAC-2800と3800では,すべての周辺装置の動作と内部演算は同時に並行して行うことができた.また,これら2機種の最大の特徴は,多重処理機能を有することであり,複数のプログラムを独立して並行実行することができた.
機種名 | NEAC-2400 | NEAC-3400 | NEAC-2800 | NEAC-3800 |
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発表時期 | 1963年4月 | |||
規模 | 中小形 | 中形 | 大形 | 超大形 |
A+B→C動作回数/秒 | 10,000 | 14,000 | 30,000 | 90,000 |
12桁 記憶サイクル時間 | 8.5μs | 13μs | 6μs | 2μs |
内部記憶容量(語) | 4,096 | 16,384 | 32,768 | 65,536 |
磁気テープ利用可能台数 | 8 | 16 | 64 | |
製表装置使用可能台数 | 1 | 2 | 8 |