神戸大学Lispマシン FAST LISP

神戸大学Lispマシン FAST LISP

神戸大学Lispマシン FAST LISP


製造年 1978年〜1979年
製造者 神戸大学工学部システム工学科
所有者 神戸大学大学院システム情報学研究科
史料所在地 〒657-8501 兵庫県神戸市灘区六甲台町1-1 神戸大学大学院システム情報学研究科玄関ロビー
公開情報 公開中(要予約)
照会先 システム情報学研究科事務室 Tel.078-803-6257

 Lispの高速実行を目指し,ビットスライスプロセッサ(AMD社のAm2903を使用)上に,マイクロプログラム化したLispインタプリタを載せ,1978年から79年にかけ,神戸大学の瀧和男,金田悠紀夫らが開発した.大型計算機並みの処理速度を実現した我が国初の高速Lispマシンである.FAST LISPをそのシステムの名称とする.
 プロセッサモジュールと32ビット64K語のメモリモジュールから構成され,フロントエンドにLSI-11を持つ.
 16語のレジスタファイル,16ビット4K語の高速ハードウェアスタックと56ビット4K語のマイクロプログラムメモリを有し,マイクロシーケンスコントローラにはAMD社のAm2910が用いられた.
 本機の第2回LISPコンテストの問題の実行時間は,インタプリタでありながら,HLISP,OLISPなど大型計算機のLisp処理系のコンパイル実行と比べてやや遅い程度を達成し,後に追加実装されたコンパイル実行では大型計算機をしのいだ.
 本機のアーキテクチャは,その後に製作されたLispマシンであるFACOM αやELISに受け継がれている.FAST LISPはエイ・アイ・エルの会議室に保管されてきたが,2012年春より神戸大学大学院システム情報学研究科の玄関ロビーにて公開展示される.