村田 健郎
(むらた けんろう)
1923〜2009
村田健郎は1923年10月4日生まれ. 1945年東京帝国大学航空原動機学科を卒業,1951年東京大学理学部数学科を卒業. 1952年同大学院前期在学中,弥永昌吉の紹介で同工学部雨宮綾夫の門に入り,大型電子計算機TACプロジェクトの一員となった.その後数々の曲折を経て,村田健郎, 中澤喜三郎らは1957年末からTACの全面的な改良,調整を開始し, 1959年1月,同機は完成した.その公開後,さらに改良を行い, 1962年夏まで主として工学部の研究者に使用された.
村田健郎は,中澤喜三郎とともに1960年4月,日立製作所に入社,2人は, 後にHITAC5020と命名された大型計算機の開発に当たった. この計算機は東京大学大型計算機センターの1号機として納入された.
村田はその後,工業技術院大型プロジェクト:超高性能電子計算機の開発に従事した. 後にこのプロジェクトをもとにして製作したHITAC8800が東京大学大型計算機センターの2号機として納入された. 1973年頃から数値計算分野に転じ,帯行列固有値解析の新算法の開発などを行った. 動機はキャッシュメモリ付き仮想メモリ方式計算機と従来算法の甚だしい不整合性の実例を経験したことにあり, その後もパイプライン制御,スーパーコンピュータなど,計算機方式と絡む問題を扱うことが多かった.
2009年7月27日逝去(事務局注)
All Rights Reserved, Copyright (C) Information Processing Society of Japan