NHKコンピューター講座資料一式

NHKコンピュータ講座のテキスト.年2回発行された.

NHKコンピュータ講座のテキスト.年2回発行された.


テキスト(1975)に掲載されたスタジオ風景

テキスト(1975)に掲載されたスタジオ風景


制作年 1969年〜1976年
制作者 日本放送協会
所有者 日本放送協会,NHK出版
史料所在地 〒105-0002 東京都港区愛宕2-1-1 NHK放送博物館
公開情報 展示公開
照会先 日本放送協会 知財センター・アーカイブス部 Tel.03-3465-1111

 NHK教育テレビ(現・Eテレ)で1969年から7年間にわたり放送された教育番組である.週1回毎週日曜(再放送あり),半期26回を基本に延べ679回(再放送含む)放送が行われた.プログラミングの基礎,コンピュータの原理,フローチャートの書き方などが紹介され,さらには補間関数,微分方程式解法,信号処理,シミュレーション,パズル,自動作曲など,今日の大学院科目に相当するテーマまでが意欲的に扱われた.
 機材も電電公社(現・NTT)の時分割処理(TSS)によるオンライン計算サービスDEMOSを使用したり,ミニコンピュータをスタジオに持ち込んだり,当時最先端の機器を活用している.2進法の紹介では落語家をスタジオに呼んで「蝦蟇の油」を口演させ,刀で懐紙を切る場面で「1枚が2枚,2枚が4枚,……」として説明するなど,ウィットに富んだ企画もあった.講師陣は主任を森口繁一,島内剛一などが務め,石田晴久,筧 捷彦など若手が脇を固める豪華なものであった.
 1970年代前半はマイコンの誕生以前で,企業や大学のごく一部でのみコンピュータが使われていた時代だった.それがこの番組により,視聴者は週に一度,家に居ながらコンピュータルームに連れて行かれ,一流の講師陣から大学相当の講義を視聴する体験をした.本番組が契機となって,今日,情報処理を専門としている者も多い.