自己相関係数計算機

自己相関係数計算機

自己相関係数計算機


製造年 1954年
製造者 富士通信機製造(株)(現・富士通(株))
所有者 富士通(株)
史料所在地 〒410-0396 静岡県沼津市宮本140 富士通(株)沼津工場
公開情報 原則非公開(応相談)
照会先 総務部
Email: fj-archives-history@dl.jp.fujitsu.com

 この自己相関係数計算機は,東京大学理学部地球物理学教室の依頼を受けて,富士通信機製造(現・富士通)が1954年に製造したリレー式単能計算機である.
 自己相関係数の計算は,変動現象の解析手法の一つである周期分析を行う上で重要である.しかし,データの自己相関係数を直接求めるには,大規模な演算回路やメモリが必要で,当時は実現が困難であった.自己相関係数を簡単に求める方法として,1954年に東京大学理学部の友田好文氏が提案した,分割数を2とした相関係数を求め,換算表を引いて本来の相関係数を求める方式によれば,演算量を1/10〜1/100に減らすことができる.本自己相関係数計算機はこの方式を実装したもので,地震波動解析に使用された.
 本装置では,同時に10単位時間ずらした自己相関係数までを計算でき,単位時間を1/2秒に取ることにより,標本N個の計算はN/2秒で計算でき,安価で実用的に相関係数を求めることができた.その後富士通は,1957年には同じくリレー式の相関係数計算機FACOM426(10進数3桁)を開発,さらに野辺山,アルマ天文台用と,電波天文学用の高速相関係数計算機へと発展させた.