PDP-8/I

PDP-8/I とそのコンソール・パネル

PDP-8/I とそのコンソール・パネル


内部はフリップ・チップという基板で構成される. 初期モデルではそれは基板上に電子素子を焼成した一種の集積回路(IC)であった.PDP-8/Iは後期モデルで,すでに標準論理ICが流通していたため,フリップ・チップはそれを搭載した通常の基板モジュールになっている.

内部はフリップ・チップという基板で構成される. 初期モデルではそれは基板上に電子素子を焼成した一種の集積回路(IC)であった.PDP-8/Iは後期モデルで,すでに標準論理ICが流通していたため,フリップ・チップはそれを搭載した通常の基板モジュールになっている.


製造年 1971年頃
製造者 Digital Equipment Corporation
所有者 京都コンピュータ学院
史料所在地 〒601-8407 京都府京都市南区西九条寺ノ前町10-5
京都コンピュータ学院 京都駅前校内(京都コンピュータ学院KCG資料館)
公開情報 公開中(要予約)
照会先 総務部 Tel.075-762-2030  https://www.kcg.ac.jp

 PDP-8 はDigital Equipment Corporation(DEC社)が1965年に発売した12ビット・ミニコンピュータである.本機が商業的に大成功することで,ミニコンピュータのカテゴリーが確立し,またDEC社はその代表メーカとして認知されるに至った.内部はフリップ・チップという基板モジュール群を自動ワイヤーラッピング配線することで構成されており,低価格で製造できた.PDP-8は約5万台生産された.
 当時のコンピュータは大型機ほど高性能で,かつ相対的に低コストであるとされ,価格や規模は肥大化の一途であった.顧客にリース契約で貸与するのが基本で,所有権はメーカにあったため,顧客はコンピュータを自由に改造して使うことはできなかった.その中でDECのミニコンは売切り販売の形態で,価格も1.8万ドルと安価であったため,大学の研究室等でも購入できた.また構造も公開されており,自由に改造できた.これがPDP-8の成功の要因となった.多彩な改造パーツは他メーカから多く供給され,またPDP-8自体を他装置の制御用に組み込むOEM販売も多く行われた.
 しかし1970年代後半になると,その用途にはIC化されたマイクロプロセッサが使われるようになり,ミニコンは衰退していった.