HITAC M-180 論理パッケージ

LSIと汎用ECL型ICの混在型論理パッケージ

LSIと汎用ECL型ICの混在型論理パッケージ


汎用ECL型ICのみの論理パッケージ

汎用ECL型ICのみの論理パッケージ


製造年 1976年,1979年
製造者 (株)日立製作所
所有者 (株)日立製作所
史料所在地 〒244-0817 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292 (株)日立製作所 横浜事業所内
公開情報 原則非公開(応相談)
照会先 https://www.hitachi.co.jp/products/it/portal/museum/

 HITAC M-180は日立製作所のMシリーズの最初のモデルである.初号機は1976年に出荷された.
 通産省は1971年にコンピュータの貿易自由化方針が決定されたのに対応して,コンピュータ業界のグループ化を行った.Mシリーズは,同一グループを形成した日立製作所と富士通の共通仕様に基づく汎用コンピュータのシリーズであり,当時デファクト・スタンダードとなっていたIBM S/370のアーキテクチャを採用している.
 HITAC M-180は,従来機の3倍の処理性能を有し,DRAM素子による高速大容量主記憶装置,高速入出力プロセッサなどの特長を持つとともに,高速演算機構や内蔵アレイプロセッサなどの付加機構を搭載することができた.
 実装面の特長は,汎用ECL型ICとそれと互換性のある回路を持ったLSIの混在型論理パッケージである.これは,開発期間の短縮,性能向上,コスト低減に有効であっただけでなく,空冷型実装を可能とし,設備や保守を容易にした.
 本機は,国内の大規模企業情報システムや科学技術計算の幅広いニーズに応える一方で,海外にも多数輸出され,以降日立製作所のコンピュータ事業が大きく発展する基礎を築いた.