HITAC 8700

HITAC 8700

HITAC 8700


製造年 1973年
製造者 (株)日立製作所
所有者 (株)日立製作所
史料所在地 〒140-8574 東京都品川区南大井6-26-1 大森ベルポートA館 (株)日立製作所内
公開情報 原則非公開(応相談)
照会先 https://www.hitachi.co.jp/products/it/portal/museum/

 1967年,超高性能電子計算機開発の国家プロジェクトが発足し,日立製作所がその中心的役割を委託された.このプロジェクトは国産技術の粋を集めたものとして,学会,官界,業界あげての支援,協力と関係者の総力を傾注し,1972年に完成した.HITAC 8700は,その技術成果を活かした汎用大型計算機であり,国産初の32ビット仮想アドレス方式,主記憶共有マルチプロセッサ,バッファ記憶方式,高度の記憶保護方式を特徴とし,当時世界でもトップレベルの性能を実現した.動作時間が1段あたり1.5ナノ秒で平均3ゲートからなるICと平均30ゲートからなるLSIが使われた.エラーが生じたときに再度同じ動作を繰り返させる命令の再実行機能,読み出しにエラーが生じたときに自動的に修正するメモリエラー修正機能,故障個所指摘テストなどの機能を備え,信頼性の向上を図った.命令と演算の制御は高速のワイヤメモリに記憶されたマイクロプログラムで制御されており,頻繁に使用される処理の一部をファームウェア化することにより,2〜3倍の処理の高速化を実現した.1972年5月に初号機が東海銀行に納入された.国鉄の座席予約システム(MARS 105)にも採用されたほか,大規模なオンラインシステムや大量のバッチ処理,多数の使用者が同時に利用するタイムシェアリング・システムなど幅広い用途に使用された.