紙幣還流型現金自動預払機 AT-100

AT-100

AT-100


製造年 1982年
製造者 沖電気工業(株)
所有者 沖電気工業(株)
史料所在地 〒370-8585 群馬県高崎市双葉町3-1 沖電気工業(株) 高崎事業所
公開情報 原則非公開(応相談)
照会先 高崎総務チーム Tel.027-325-1111(代)

 1970年代後半の日本のATM(現金自動預払機)は入金機と出金機が別々に構成され,入金機に紙幣があっても出金機の紙幣がなくなれば運用を停止した.そのため,ATMの設置台数を増やしたとき,ATM内部に滞留する現金の運用効率が課題となった.そこでOKIは1982年に世界で初めて入金した紙幣をそのまま出金に回せる紙幣還流機能をもつAT-100を商品化した.AT-100は小型で紙幣口が1つであるため,ATMに不慣れな顧客,特に視力等の障害者に操作が優しく,出金機の紙幣残量でATMの運用は停止しなかった.当時紙幣還流機能の実用化には,従来にない機構・制御・ソフトの新技術と,高品質・高信頼性のモノづくりが必要とされ,日本が得意とするメカトロニクス技術は革新的に進化した.そして,AT-100以後,日本のATMは紙幣還流型ATMとなり,銀行だけでなくコンビニエンスストアの省スペースな店舗にもATMが設置され,24時間365日止まらない現金サービスを提供することで,日本経済の発展に不可欠なインフラとなった.いまや紙幣還流型ATMは世界スタンダードとなりうる日本製品である.