ASPET/71光学的文字読取装置

ASPET/71光学的文字読取装置

ASPET/71光学的文字読取装置


製造年 1971年
製造者 (株)東芝・電気試験所(現・産業技術総合研究所)
所有者 国立科学博物館
史料所在地 〒305-0005 茨城県つくば市天久保4-1-1 国立科学博物館理工資料庫
公開情報 限定公開(応相談)
照会先 理工学研究部  https://www.kahaku.go.jp

 ASPET/71は新しいパターン認識理論にもとづき,電気試験所(現・産業技術総合研究所)と東芝が共同で開発した高性能ページ式文字読取装置(OCR)である.
 電気試験所の飯島泰蔵は,視覚でとらえられる映像にボケが伴う事実を解明し,視覚パターンの認識に関する統一的な基礎理論体系を世界に先駆けて1965年に確立した.1966年から始まった通商産業省大型プロジェクト「超高性能電子計算機の研究開発」において,人間に判読できる印刷文字であれば正確に読み取ることができる装置を目指してASPET/71の開発が行われ,1971年に完成した.本装置では,前記理論体系と新たに飯島によって発明された「複合類似度法」が採用され,それまで不可能とされていた低品質文字の読み取りが,初めて可能になった.また,アナログ量を並列的に演算する空間回路網が開発され,上記方式による演算の高速処理を可能にし,毎秒2,000字の高速読み取りを実現した.
 本開発により,図形本来の基本的性格にもとづくOCR認識性能向上の方策が確立し,その後のOCR技術の飛躍的発展に貢献するところとなった.