SENAC-1(NEAC-1102)

SENAC-1(NEAC-1102)

SENAC-1(NEAC-1102)


製造年 1958年
製造者 日本電気(株)
所有者 日本電気(株)
史料所在地 〒183-0036 東京都府中市日新町1-10 日本電気(株) 府中事業場
公開情報 原則非公開(応相談)
照会先 インフラ・テクノロジーサービス事業部門 戦略・企画室 Tel.03-3454-1111(大代表)
https://www.nec.co.jp/

 SENAC-1(NEAC-1102)は,国産計算機の黎明期において製作された本格的なパラメトロン式電子計算機である.高精度演算が可能な科学技術計算用の高性能コンピュータが東北大学電気通信研究所および日本電気(NEC)社内より求められ,両者による大型電子計算機の共同開発が,同研究所大泉充郎の指導の下で,1956年にスタートした.この計算機は,東北大学所在地の仙台の地名からSENAC-1(Sendai Automatic Computer 1)と名付けられ,NECではNEAC-1102と呼ばれ,NECにおける最初の商用計算機となった.
 約9,600個のパラメトロンを使用し,2進48桁(ビット)の語長による高い演算精度,2組のアキュムレータと加算回路による倍長演算の容易化,固定小数点演算モードと浮動小数点演算モードの命令による切り換えが可能など高精度な科学技術計算を指向していた.高速磁気ドラムを用いて1,024語の内部記憶装置を実現し,5個のインデックスレジスタによるインデックス修飾や先回り制御方式の採用などの設計構想は当時としてはきわめて斬新なものであった.
 SENAC-1は東北大学に1958年3月に納入され,同年11月に稼働した.以後1965年まで東北大学の多くの研究分野で活用され,その研究発展に大きく寄与した.