製造年 | 1976年 |
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製造者 | 日本電気(株) |
所有者 | NECパーソナルコンピュータ(株) |
史料所在地 | 〒101-0021 東京都千代田区外神田4-14-1 秋葉原UDX NECパーソナルコンピュータ(株) |
公開情報 | 原則非公開(応相談) |
照会先 | NECパーソナルコンピュータ(株) Tel.03-6479-5500 |
「TK-80」は1976年に日本電気から発売された8ビットマイクロコンピュータ(マイコン)のトレーニングキットである.同年2月に日本電気の半導体部門に新設されたマイクロコンピュータ販売部が新しいマイコンチップを売り始めた.当時の販売部長の「何でもいい,マイコンを応用した新しいアイディアを考えてくれ」との檄が,「TK-80」誕生のきっかけである.
折しも日本電信電話公社からの相談で制作した新人向けのマイコンキット教材が原型となり,8月3日にトレーニングキット「TK-80」として88,500円で発売,マイコン時代の幕開けとなる.
「TK-80」は,CPUにインテル社の8ビットマイクロプロセッサ8080と互換性のあるmPD8080A,表示装置にLED,16進キーボードを備え,機械語でのプログラミングおよびその実行が可能であった.さらに,組立マニュアルや回路図,モニタ(基本ソフトのプログラムリスト)が付いていた.
当初は企業の技術者向けの教育キットとして発売したが,東京・秋葉原に開設した販売拠点NEC Bit-INNでは,予想に反して大勢の学生や個人が興味を示し,サードパーティから周辺機器が出てくると,活用はさらに広がり大きなうねりとなった.
その後,TK-80BS,COMPO BS/80と強化され,個人のマイコンへの要望やマイコンを業務に使用したいというニーズに応え,個人用コンピュータ(現パーソナルコンピュータ)の創生期へとつながっていく.