KT-Pilot

KT-Pilot

KT-Pilot


KT-Pilotの内部

KT-Pilotの内部


製造年 1961年
製造者 京都大学と東京芝浦電気(株)(現・(株)東芝)が共同研究によって開発
所有者 (株)東芝
史料所在地 〒212-8585 神奈川県川崎市幸区堀川町72-34 ラゾーナ川崎東芝ビル2F
東芝未来科学館
公開情報 公開中
照会先 東芝未来科学館 Tel.044-549-2200 
https://toshiba-mirai-kagakukan.jp/

 京都大学と東京芝浦電気(現・東芝)が共同で「新方式電子計算機の開発」に取り組み,1961年,我が国で初の本格的マイクロプログラム方式を採用したコンピュータKT-Pilotを試作した.論理回路には東京芝浦電気が新規に開発したシリコンのメサ型トランジスタによる高速度基本回路を用い,並列非同期式高速演算方式を採用した.記憶装置には我が国初の薄膜記憶装置を実装した.マイクロプログラム用の固定記憶装置はダイオードによる記憶装置を用い,可変記憶装置としてパッチボード方式およびフォトトランジスタによる独自方式を用いた画期的なものであった.当時のコンピュータに比べ1桁以上の高速演算を実現した.可変マイクロプログラムに演算用のマクロ命令を追加することで,円周率πの計算などでは,演算時間を大幅に短縮することができた.1962年8月,萩原宏(京大),天羽浩平,松下重悳,山内史志(東京芝浦電気)の連名で,1962年8月ミュンヘンで開催されたIFIPで発表.IBMシステム360発表の以前であり,世界最高速のコンピュータとして高く評価された.その後,本機を原型として東京芝浦電気がTOSBAC-3400を開発した.