発行年 | 1968年〜1969年 |
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発行所 | 東京大学出版会 |
所有者 | 東京大学 工学・情報理工学図書館 |
史料所在地 | 〒113-8656 東京都文京区本郷7-3-1 東京大学工学部2号館5F 工2号館図書室 |
公開情報 | 公開中 |
照会先 | 東京大学 工学・情報理工学図書館 工2号館図書室 Tel.03-5841-6315 kogaku2@lib.t.u-tokyo.ac.jp https://library.t.u-tokyo.ac.jp/eng2.php |
1960年代後半は,コンピュータに集積回路が採用されることで商用化が一気に進み,社会のさまざまな場面で利用の始まった時期にあたる.そこに本格的なプログラミング教科書として出版された本書は,たちまち標準的教科書としての地位を確立した.これは多くの学校や企業の演習テキストとして使われた,記念碑的な書籍である.
著者の森口繁一 (1916 - 2002) は数理統計学を専門とするかたわら,コンピュータ黎明期からその利用教育に携わり,50年代にはアセンブラ言語に相当する標準記号入力言語 SIPの普及活動を行った.60年代に入り,ALGOLやFORTRANなどのコンパイラ言語がプログラミングの主流になると,その教育活動に転じた.後者言語のテキストとして執筆されたのが本書である.
内容は徹底した演習主義をとり,演習問題と解答を対(つい)にした体裁である.習うより慣れろで,すべて演習は実際に読者がコーディングし,コンピュータにかけてみることを想定している.また初学者の躓きそうな箇所には,それを避けられるよう丁寧な注記が用意されており,著者・森口の優れた教育者としての配慮が分かる.
当時コンピュータはまだ貴重品で,専門を志す学生も自由にそれに接することは困難であった.本書に添えられた豊富なパンチカード写真や印字出力例を見ながら,将来このすばらしい機械を使いこなす夢をふくらませていた.