製造年 | 1961年 |
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製造者 | (株)日立製作所 |
所有者 | (株)日立製作所 |
史料所在地 | 〒140-8574 東京都品川区南大井6-26-1 大森ベルポートA館 (株)日立製作所内 |
公開情報 | 原則非公開(応相談) |
照会先 | https://www.hitachi.co.jp/products/it/portal/museum/ |
HITAC 201は,日立製作所が中企業を対象に安価で手軽に設置して運用のできる事務用小型電子計算機という目標のもとに1960年に開発を始めた.
仕様案を社内の事務管理部門の人々にも提示して意見を求めながら検討を進めた結果,1)低価格の磁気テープ装置を開発し,ソートが可能な4台程度のデッキを接続可能とする,2)カナ文字入りラインプリンタを接続する,3)記憶容量は4,000語程度持ち,事務計算に便利な命令体系を持つ,などの目標設定がなされた.
基本回路は日立製作所の最初のトランジスタ計算機であるHITAC 301のものをさらに改良し,実装方式も変更して実装密度を向上させた.演算方式は10進直列,固定小数点で,語長は符号+11桁とした.
磁気ドラムはHIPAC 101用のものをさらに大容量低コスト化し,ベルト駆動で9,000RPMを実現した.当時はコーティングが主流で,外部空気をとり入れた冷却方式を採用していたが,この磁気ドラムはメッキ方式の採用と完全密封方式を特長とした.
磁気テープ装置は,当時KDC-1用に日立として初めて開発したばかりであったが,低価格化のために,小型リール(容量30万桁)を採用し,速度は1,000桁/秒の仕様で,1台の装置に4組のユニットを実装し,制御回路の共用化をはかった.
この試作は1961年3月に完成し,本格的な小型事務用計算機の登場ということで市場の注目をあびた.