ETL Mark IVパッケージおよび磁気ドラム

ETL Mark IVパッケージ ゲート回路

ETL Mark IVパッケージ ゲート回路


ETL Mark IV パッケージ パルス増幅器

ETL Mark IV パッケージ パルス増幅器


ETL Mark IV 磁気ドラム装置

ETL Mark IV 磁気ドラム装置


製造年 1957年
製造者 電気試験所(現・産業技術総合研究所)
所有者 国立科学博物館
史料所在地 〒305-0005 茨城県つくば市天久保4-1-1 国立科学博物館 理工資料庫
公開情報 限定公開(応相談)
照会先 理工学研究部 https://www.kahaku.go.jp/

 電気試験所では1956年に2進法トランジスタ式電子計算機ETL Mark IIIを試作したが,これにつづいて1957年に実用機ETL Mark IVを開発した.基本回路はETL Mark IIIと同じくダイナミック回路を使用し,トランジスタは接合型を採用した.クロックは同期式,単相,180kHzとし,記憶装置は高速磁気ドラム(記憶容量1,000語)を使用した.開発は高橋茂,西野博二,松崎磯一,近藤薫,相磯秀夫,米田弘により行われた.磁気ドラムは,機械的な部分は北辰電機(現・横河電機)に,磁気的な部分は東京通信工業(現・ソニー)に依頼して開発した.
 ETL Mark IVは内部10進法,ビット並列ディジット直列方式で,1語は並列4ビット・直列6桁の構成をとり,1957年11月に完成した.これをもとに商用電子計算機が日本電気,日立製作所,北辰電機,松下通信工業などにより相次いで開発された.ETL Mark IVは,その後改造されて語長が10進8桁になり,指標レジスタが設けられ,磁心記憶装置が増設されてETL Mark IV Aとなった.ETL Mark IVとしては論理回路に使用されたパッケージと記憶装置用の高速磁気ドラムしか残っていないが,ETL Mark IV Aは現在国立科学博物館に保存されている.