日本のコンピュータパイオニア

駒宮 安男駒宮 安男
(こまみや やすお)
1922〜1993

駒宮安男は1922年10月14日生まれ.1944年9月東京帝国大学工学部電気工学科を卒業.同年11月電気試験所基礎部に入った.東大在学中から併任教授であった後藤以紀に師事し,入所後は後藤による論理関数方程式の解法理論を,継電器による論理演算回路に応用し,これらを電気計算回路理論としてとりまとめ,東京大学より工学博士の学位を授与された.

その成果に基づき,1952年末包良太とともに継電器式自動計算機のパイロットモデルETL Mark Iを完成した.これは我が国最初の自動計算機であった.引き続き本格的な大型継電器式自動計算機ETL Mark IIの開発に着手し,末包良太,高木正英,桑原 繁らとともに1955年11月にこれを完成した.

1956年12月電気試験所物理部応用数学課長となり,その後制御部長,電子部品部長,電子技術総合研究所電子デバイス部長を経て,1980年九州大学に教授として出向,大学院総合理工学研究科で情報システム学を担当した.1986年3月九州大学を定年退官,明治大学教授となり,定年直前の1993年3月11日に死去した.


(高橋 茂)