製造年 | 1957年 |
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製造者 | Légé社(英国) |
所有者 | 海上保安庁海洋情報部 |
史料所在地 | 〒135-0064 東京都江東区青海2-5-18 青海合同庁舎 海洋情報資料館 |
公開情報 | 公開中 |
照会先 | 企画課 Tel.03-3595-3620 https://www1.kaiho.mlit.go.jp/ |
電子計算機の登場以前にも,日常生活に複雑な計算は要求された.それを自動化するため,機械仕掛けによる計算機構が多く工夫され,実用に供された.この潮候推算機(ちょうこうすいさんき)はその一例である.
潮候(潮汐,海洋の潮の満ち干き)は主に太陽と月の引力により引き起こされているが両者の配置,地形などの影響で,地点ごとに変化する.潮候を予想することは,船舶を安全に運行したり港湾に係留する場合に重要である.この海上保安庁所蔵の潮候推算機はそのような予報計算に用いられていた.
潮汐現象は19世紀後半に英国のケルヴィン卿により研究され,多数の単純な周期現象の和に分解できることが知られている.潮候を予想する地点について,各周期のパラメータが分かれば,その周期成分を加算することで,将来の潮位変化を予想できる.この潮候推算機は,42枚の偏芯したプーリー(円盤)により,その計算を自動化した機構である.現在は電子計算機により行われるが,基本的なアルゴリズムは変わっていない.
国内には数台の潮候推算機が残存しているが,本機はその最終完成形として大規模なもので,また良好に保存されている.