物理乱数発生装置群

統計数理研究所で開発された各種の小型物理乱数発生装置

統計数理研究所で開発された各種の小型物理乱数発生装置


大型コンピュータの周辺装置として設計された高速物理乱数発生装置(1989年製,1.5メガバイト/秒の速度で乱数生成できる)

大型コンピュータの周辺装置として設計された高速物理乱数発生装置(1989年製,1.5メガバイト/秒の速度で乱数生成できる)


製造年 1950年頃〜2010年
製造者 (株)日立製作所,(株)東芝,東京エレクトロン デバイス(株),他
所有者 大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 統計数理研究所
史料所在地 〒190-8562 東京都立川市緑町10-3 
大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 統計数理研究所 地下1F
公開情報 公開中(要予約)
照会先 統計数理研究所 運営企画本部 Tel.050-5533-8580 https://www.ism.ac.jp/ism-tour/

 電気雑音等の物理現象を利用して,確率理論に正確に合致した乱数を高速に発生させる装置で,統計数理研究所では時代や用途ごとに各種のものが製作された.
 1950年頃に発行された統計数値表の乱数表作成のためには番号を書いたコインを用いていたが,その後,電気的に生成するようになった.1956年の放射性物質からの放射線を計数するものから始まり,ダイオードの雑音を利用する方式,熱雑音をAD変換してそのビットパターンを利用する方式などへ発展した.機器形態もメインフレームコンピュータの周辺装置として接続するもの,PCの補助ボードとして使用するもの,USB接続の汎用のものなどがある.最新の装置では640メガバイト/秒の乱数ストリームを生成できる.機器の中にはJIS規格の乱数表生成に使用されたものもある.
 理論どおりの物理乱数を発生させるためには物理現象を高速高精度にとらえる高度な技術が必要で,時代ごとの実装に電子技術の進展を見ることもできる.統計数理研究所ならではの特殊な装置群で,貴重である.