製造年 | 1959年 |
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製造者 | 東京大学 |
所有者 | 東京農工大学工学研究院先端情報科学部門 |
史料所在地 | 〒184-8588 東京都小金井市中町2-24-16 東京農工大学工学研究院先端情報科学部門(7号館) |
公開情報 | 原則非公開(応相談) |
照会先 | 東京農工大学先端情報科学部門 教授 金子敬一 Tel.043-388-7448(担当:宮島) https://www.eecs.tuat.ac.jp/ |
TACはTodai Automatic Computerの略称であり,1959年に東京大学(東大)によって開発された真空管式電子計算機である.東大では,1951年に文部省科学研究費により総合研究班(班長山下英男)による「電子計算機の研究」が開始された.翌年機関研究費1,011万円が東大に交付され,雨宮綾夫を中心として開発が行われた.東大が基本の論理仕様を決め,ハードウェア製作は東京芝浦電気(現在の東芝)に発注され,三田繁を中心に設計,製造され,1954年暮れに東大綜合試験所(現・総合試験所)に納入された.翌年から開始された調整が難航し,1956年以降,東大の村田健郎や中澤喜三郎らにより大幅な改良が行われ,1959年2月に完成した.同機は1962年夏に運転を停止するまで多くの研究で利用された.
TACはEDSACの命令体系を持つ2進法直列方式のコンピュータで,命令は短語17ビット,数値は長語35ビット,主記憶容量は1,024短語(512長語)である.真空管を約7,000本,ダイオード約3,000本を使用し,主記憶装置に3インチのブラウン管16本を用いたランダムアクセス方式を採用した.当初は固定小数点方式であったが,1959年6月に浮動小数点方式演算装置も付加された.EDSAC IIで初めて採用されたインデックスレジスタを日本ではTACが最初に取り入れた.