強震応答解析用アナログ計算機 SERAC

SERAC(本体,光電管式関数発生機と記録装置)

SERAC(本体,光電管式関数発生機と記録装置)


製造年 1961年
製造者 (株)日立製作所
所有者 国立科学博物館
史料所在地 〒305-0005 茨城県つくば市天久保4-1-1 国立科学博物館理工資料庫
公開情報 限定公開(応相談)
照会先 理工学研究部  https://www.kahaku.go.jp/

 地震の多い我が国における高層建築の耐震設計技術の確立を目指し,強震時における建造物の反応を解析するために開発された電子管式アナログ計算機である.1961(昭和36)年度東洋レーヨン科学技術助成を受け,武藤清東大教授を委員長とする「近代高層建築の強震に対する反応解析と動的設計法に関する研究」委員会によって計画され,日立製作所の設計・製作によりその年の12月に完成し,東京大学工学部綜合試験所(現・総合試験所)大型構造物試験室に設置された.
 SERACは建物を1~5質点系のせん断振動体に置き換え,微小振幅から被害を受けるような大振幅にわたって地震動による各質点の動きを計算することができる.実際の計算ではパッチ盤上でコードを接続することにより,振動系を表す模擬回路を構成し,フィルムに焼き付けた地震波を光電管式関数発生機により電圧に変換して入力とする.計算結果はペン書きオッシログラフにより直接記録される.入力する地震動はEL CENTRO(CALIFORNIA,1940 NS 成分最大加速度 0.33g)などが用いられ,霞が関ビルなどの基礎研究に使用された.