SCK-201形漢字鍵盤さん孔機

SCK-201形漢字鍵盤さん孔機

SCK-201形漢字鍵盤さん孔機


製造年 1968年
製造者 (株)新興製作所
所有者 (株)新興製作所
史料所在地 〒025-0354 岩手県花巻市大畑9-92-6 (株)新興製作所
公開情報 公開中(要予約)
照会先 管理部 総務人事課 Tel.0198-26-4311

 新興製作所は1955年に漢字かな混じり文の電信送信・印字のため漢字テレプリンタを朝日新聞社と共同開発した.この成果をもとに1958年に我が国初めての漢字テレプリンタSC-4形漢字鍵盤さん孔機およびSC-4形漢字印刷翻訳機(プリンタ)を製品化し,これが報道機関の情報通信のスピード向上と機械化に大きく貢献したため,新聞社各社は漢字テレプリンタを競って導入し新聞界に広く普及した.
 1964年には東京オリンピックでNTTやKDDのシステムに新興製漢字テレプリンタが使用され,1967年には新興製作所の携帯型SCK-100漢字キーボードが開発され,メキシコ五輪や月面着陸アポロ報道に使用された.これらの実績をもとに1968年に可搬型のSCK-201形漢字鍵盤さん孔機が開発された.多段シフト方式の鍵盤より漢字・かな交じり文を入力し,紙テープにさん孔し出力する.現在この機械が1台新興製作所に良好な状態で保存されており,同社のショールームに展示されている.この後1975年頃にはマイコン制御のSCK200F形漢字入力装置が開発されている.
 漢字テレプリンタは,多段キーボード方式により漢字入出力機能を初めて実現したものであり,日本語入出力機器として当時重要な役割を果たした.その後の日本語ワードプロセッサの前身と言われている.